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報告書

ベントナイトの長期安定性の検討-セメント系材料の影響を受けた地下水中のベントナイト安定性の予備調査-

市毛 悟*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC TN8430 2001-007, 56 Pages, 2002/01

JNC-TN8430-2001-007.pdf:13.13MB

放射性廃棄物の地層処分では、廃棄物への地下水の浸入と廃棄物からの核種の溶出及び移行を抑制するため、低透水性で収着能を有したベントナイトと呼ばれる粘土の使用が検討されている。一方、処分施設の構造材や埋め戻し材等として、セメント系材料の使用が検討されている。セメント系材料と接触した地下水はアルカリ性を示し、膨潤特性の劣化などベントナイトの性能に影響を与えることが予想されている。そのため、処分システムの安全評価を行うためには、処分環境におけるベントナイトの変質について検討するとともに、ベントナイトの長期的な変遷挙動を予測することが重要となる。本研究では、ベントナイトの変質の結果生じる鉱物を確認することを目的として、3種類の試験溶液(Ph=7,12.5,14)と粉末ベントナイトを用いた高温条件(200$$^{circ}C$$)でのバッチ浸漬試験を実施し、セメント系材料の影響として報告されている層間陽イオン交換、ゼオライト化、バイデライト化、シリカセメンテーション及びC-S-Hゲル化の生成について検討した。試験の結果、液相中のNaイオン濃度の増加とCaイオン濃度の減少からベントナイトのカルシウム化の可能性を確認するとともに、浸出陽イオン量を用いた概略的な解析からCa化を定量化した。また、液相分析の結果及び平衡論を用いたアナルサイムの安定性解析の結果から、アナルサイムの生成にはケイ素の溶出にかかわる溶液のPhに加え、溶液中のナトリウム濃度が影響を与えている可能性を具体的に示した。 今後はこれらの要素試験的な結果を踏まえ、処分環境下での長期的なベントナイトの変質挙動について検討していく。

報告書

ベントナイト構成鉱物のアルカリ溶液に対する影響-モンモリロナイト、長石、石英混合実験-

金 善永

JNC TN8400 2001-008, 36 Pages, 2001/03

JNC-TN8400-2001-008.pdf:2.92MB

高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に、多くの国では緩衝材としてベントナイトが候補材料として考えられている。特に近年は、地層処分にセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料からの浸出液はpHが高く、Ca、Na、Kなどの濃度が高いために、緩衝材や周辺岩盤を変質させると考えられる。この反応は、処分場が地下深い所に位置する場合、地熱や放射性廃棄物からの熱、圧力、地下水などの反応によって、さらに激しい変質を受けると考えられる。このような場合、緩衝材としての膨潤性、地下水の侵入防止、核種元素の移行遅延などの性能は、低下することが懸念される。今回は、高pH溶液に対する緩衝材構成鉱物間の影響を調べるために、緩衝材の主な構成鉱物であるモンモリロナイト、長石(曹長石)、石英を選定し、これらを一定比率に混合させて、蒸留水やpH11$$sim$$13溶液との反応を調べた。試験温度は50$$sim$$150$$^{circ}C$$であり、反応期間は10$$sim$$200日であった。試験結果、主な2次生成鉱物は方沸石(analcime)であり、温度やpHが高く、反応期間が長いほど、その生成量は多く、粒径も大きくなる傾向を示した。この方沸石の生成量は、X線粉末回折分析手法により定量化を試みた。方沸石の定量化の結果、その生成量は次の順序を示した。モンモリロナイトと長石混合試験$$>$$モンモリロナイト試験$$>$$モンモリロナイトと石英混合試験この他に、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、X線粉末回折分析データからは検出できなかった方沸石の結晶が観察された。また、定量化のデータを利用して、各試験においての方沸石の活性化エネルギー(kJ/mol)を求めてみた。・モンモリロナイト試験での方沸石の活性化エネルギー:54.9kJ/mol・モンモリロナイトと長石混合試験での方沸石の活性化エネルギー:51.9kJ/mol・モンモリロナイトと石英混合試験での方沸石の活性化エネルギー:59.6kJ/mol以上の結果より、ベントナイトに珪砂を混合させることや、周辺岩盤や緩衝材中の長石の存在などによる高pH溶液の変質影響を推定できる。

報告書

微生物によるガス発生挙動に関する実験的研究

嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC TN8430 2000-010, 27 Pages, 2000/07

JNC-TN8430-2000-010.pdf:0.72MB

放射性廃棄物を地層処分する場合、地下水、緩衝材、放射性廃棄物などに含まれる多種多様の有機物が、地下深部に存在する微生物及び処分施設建設時に地表付近から処分施設に持ち込まれる微生物の炭素源となることが考えられる。微生物が有機物を炭素源として利用した場合、二酸化炭素などのガスを発生させる。このガス発生は、地層処分システムの安全性に影響を与える一つの要因と考えられる。本研究では、ガス発生の観点から、メタン生成細菌の活動に着目し、微生物の活動にともなうガス発生に対する有機物の違いによる影響を調査するため、地下水に比較的多く含まれるフミン酸、ベントナイトに含まれる酢酸などの有機物を対象に微生物の有機物分解にともなって発生するメタン及び二酸化炭素の量を測定することとした。試験は嫌気条件で実施し、培養温度は35$$^{circ}C$$とした。有機物濃度は培養液に対して100mg/lとなるように調製した。また、pHがガス発生量に与える影響を調査するため、pHをパラメータとすることとした。その結果、フミン酸はメタン生成細菌の炭素源になりにくいこと、また、酢酸などを使用した試験結果から、pHが高くなれば、メタン生成細菌の活動にともなって発生するメタンの量が減少することが示された。なお、二酸化炭素の発生量がpHの上昇にともなって減少することは確認できなかった。

報告書

脱窒細菌のアルカリ性及び還元環境下での耐性に関する実験的研究

嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫

JNC TN8430 2000-009, 35 Pages, 2000/07

JNC-TN8430-2000-009.pdf:0.88MB

TRU廃棄物の処分方法として、地層処分施設へ埋設する方法が検討されている。使用済核燃料の再処理埋設より発生するTRU廃棄物である低レベルプロセス濃縮廃液の固化体には、多量の硝酸塩が含まれている。硝酸塩は微生物の脱窒作用により、最終的に窒素まで還元される可能性がある。このため、嫌気条件での微生物による硝酸塩の脱窒にともなって発生する窒素が人工バリアの破壊や人工バリア中の汚染水の押し出しといった物理的な影響を与える可能性があることが指摘されている。したがって、脱窒能を有する微生物(以下、脱窒細菌と記す)が処分システムに与える影響は重要であると考えられる。本研究では、高アルカリ、還元性となる処分環境に対する脱窒細菌の耐性を調査することを目的として、脱窒細菌としてPseudomonas denitrificansを使用し、pH及びEhが脱窒細菌の活性に与える影響を把握するための実験的研究を実施した。その結果、pHが脱窒細菌の活性に与える影響については、本研究で使用した脱窒細菌では、pHが中性より高くなるにつれて低下し、pH=9.5以上では定量下限値以下となることが示された。Ehが脱窒細菌の活性に与える影響については、把握することはできなかったが、試験条件が還元環境に制御されていれば、脱窒細菌は活性を持つことが明らかとなった。いずれにしても、pHが12.5程度の高アルカリとなる処分環境条件においては、本研究で使用した脱窒細菌の活性はEhにかかわらず、中性領域での活性と比較すると小さくなると考えられた。

報告書

FBR冷却系における流体物性変化を伴う流動現象に関する研究 - 物性変化を伴う流動現象モデル - $$sim$$先行基礎工学分野に関する平成11年度報告書$$sim$$

岡本 孝司*; 班目 春樹*

JNC TY9400 2000-016, 90 Pages, 2000/06

JNC-TY9400-2000-016.pdf:2.53MB

FBR冷却系に於いて、蒸気発生器内でのナトリウム-水反応が安全上問題となる。この反応では、化学反応による流体の物性変化が流れ場に強く影響するため、非線形性が大きくその挙動の予想は困難である。本研究では、このように物性変化が大きな反応性流れ場の挙動を解明することを目的とし、ナトリウム-水反応を模擬した試験流体の流動特性に関して、実験的検討及び数値解析的検討を平成11,12年度の2ヶ年にわたり実施する。平成11年度研究では、実験的検討として緩やかな化学反応を伴う流れ場の速度,濃度の同時計測技術を開発した。速度場については、既存のPIV(Particle Image Velocimetry)手法を用いる。また濃度分布に関してはpH分布の計測に着目し、発光強度に関しpH依存性の有無を有する2種類の蛍光染料を同時に用いたDELIF(Dual Emission LIF)手法を開発した。開発した計測技術を用い、2種類の蛍光塗料としてQuinineとRhodamine6Gを用いることにより、酢酸水-水,アンモニア水-水,アンモニア水-酢酸水を用いた軸対称噴流場での速度,pH濃度場の同時計測を行った結果、これらの同時計測が可能でありかつ高い精度でpH濃度場の計測が可能となった。また、一連の実験により二液二層流体の混合に於いて、拡散が抑制される傾向が見られることが判明した。本報告書は、先行基礎工学分野に関する東京大学とサイクル機構との共同研究のうち、東京大学で実施したものについてまとめたものである。

報告書

人工バリア材料における微生物の透過性及び核種の吸着性の評価

福永 栄*; 横山 英一*; 荒井 和浩*; 朝野 英一*; 千手 隆史*; 工藤 章*

JNC TJ8400 2000-030, 54 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-030.pdf:1.69MB

100%(乾燥密度1.6g/cm$$^{3}$$)のNa型ベントナイト成型体における微生物透過は、これまでの試験結果から想定されるように、微生物の移動は検知されなかった。100%(乾燥密度1.6g/cm$$^{3}$$)のCa型化ベントナイト成型体における微生物透過試験も大腸菌は導入部以外には検知されず、菌の移動は検知されなかった。強い還元性環境下(Eh=-500mV)でのベントナイトとNp、Puとの分配係数(Kd)への滅菌処理による影響は見られなかった。PuとNpは共に酸性側とアルカリ側でKd値が上がる傾向を示した。特にPuは、pH=3$$sim$$6付近では、Kd値が100ml/g程度なのに対し、pH=13付近では、生菌条件で40万ml/g以上の値を示している。このように、非常に高いKd値を示した理由として、Puが水酸化物沈澱を形成したことが考えられる。

報告書

人工バリア材料における微生物の透過性及び核種の吸着性の評価(研究概要)

福永 栄*; 横山 英一*; 荒井 和浩*; 朝野 英一*; 千手 隆史*; 工藤 章*

JNC TJ8400 2000-029, 36 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-029.pdf:1.28MB

100%(乾燥密度1.6g/cm3)のNa型ベントナイト成型体における微生物透過は、これまでの試験結果から想定されるように、微生物の移動は検知されなかった。100%(乾燥密度1.6g/cm3)のCa型化ベントナイト成型体における微生物透過試験も大腸菌は導入部以外には検知されず、菌の移動は検知されなかった。強い還元性環境下(Eh=-500mV)でのベントナイトとNp、Puとの分配係数(Kd)への滅菌処理による影響は見られなかった。PuとNpは共に酸性側とアルカリ側でKd値が上がる傾向を示した。特にPuは、pH=3$$sim$$6付近では、Kd値が100ml/g程度なのに対し、pH=13付近では、生菌条件で40万ml/g以上の値を示している。このように、非常に高いKd値を示した理由として、Puが水酸化物沈澱を形成したことが考えられる。

報告書

還元性環境におけるチタンオーバーパックの水素吸収

泊里 治夫*; 枡形 剛*; 下郡 一利*; 和田 隆太郎*; 本田 明; 谷口 直樹

JNC TN8400 99-076, 100 Pages, 1999/10

JNC-TN8400-99-076.pdf:45.74MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分においてオーバーパックの候補材料のひとつであるチタンの水素吸収挙動に関して、模擬地下水中でのベントナイト、印加電位、溶液のpH、陰分極試験時間の影響を検討した。水素吸収量の時間依存性を基に、水素吸収が放射物線則に従うと仮定して求めた水素吸収速度式から算出した1000年後の水素吸収量は、水素平衡電位近傍である-0.51Vvs.SHEでは約17ppmとなった。単位面積あたりの水素吸収量と平均の電解電流の対数との関係は直線性が得られ、水素吸収量の放射物則および今回行った程度の試験時間からの評価の妥当性が確認された。また、チタン中の水素量が約500ppmを超えた時点が脆化に対する臨界値と仮定した場合、チタンは地層処分環境下では1000年以上の寿命を有すると推察された。

報告書

Sorption and Diffusion Behavior of Palladium in Bentonite, Granodiorite and Tuff

舘 幸男; 澁谷 朝紀; 佐藤 治夫; 柴田 雅博

JNC TN8400 99-088, 58 Pages, 1999/06

JNC-TN8400-99-088.pdf:3.87MB

性能評価に用いるデータセットの信頼性を向上させることを目的として、性能評価上の重要核種の一つであり、かつ、実測データがほとんど存在しないパラジウムのベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩中における収着・拡散挙動に関するデータを取得した。収着試験については、ベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩を対象に、pH、イオン強度、液固比をパラメータとしてバッチ法により行った。Pdの分配係数として、10-1$$sim$$102m3/kgの範囲の値が得られた。ベントナイトに対する分配係数は花崗閃緑岩、凝灰岩に比べ若干高く、花崗閃緑岩と凝灰岩では同程度であった。分配係数のパラメータ依存性はいずれの固相でも同様の傾向を示した。pH依存性については、pH5で最大の分配係数となり、pHの増加に伴い減少する傾向であった。イオン強度の影響は顕著ではなく、液固比については、液固比が高いほど分配係数は高くなる傾向であった。Pdの収着挙動はNi,Co等の2価の金属イオンのそれとは異なり、これらのデータをアナログとしてPdを評価することは不適切であることが示唆された。本試験条件下におけるPdの支配化学種は、熱力学計算から中性のPd(OH)2(aq)と予想された。Pdの分配係数は10-1$$sim$$102m3/kgと比較的高い値であり、中性化学種の収着性は高いことが示された。また、分配係数がpHの増加と共に減少する傾向にあることから、Pdの収着は固相表面のS-OH2+サイトとの反応により支配されている可能性が示唆された。拡散試験については、ベントナイトを対象に密度をパラメータとしてin-diffusion法により行った。薄膜拡散源モデルにより解析された見かけの拡散係数は10-13$$sim$$10-12m2/sのオーダーであり、ベントナイト密度の増加と共に減少する傾向であった。見かけの拡散係数から得られた圧縮ベントナイト中での分配係数は10-2$$sim$$10-1m3/kgとなり、バッチ収着試験により得られた値よりも1$$sim$$2オーダー低い値であった。しかしながら、分配係数と液固比との関係には相関が見られ、液固比が低いほど分配係数は低くなる傾向であった。

報告書

Geostatistical Analysis of Groundwater Chemistry in Japan; Evaluation of the Base Case Groundwater Data Set

PATRICIA F SALTE*; 笹本 広; Apted, M. J.*; 油井 三和

JNC TN8400 99-023, 231 Pages, 1999/05

JNC-TN8400-99-023.pdf:63.86MB

本報告書は、高レベル放射性廃棄物地層処分システムの性能評価において重要となる地質環境条件の一つである地下水水質に関して、統計学的手法に基づき地下水タイプの分類を検討した内容をまとめたものである。これまでに、我が国における地下水水質を概略的に把握するため、既存の文献などから、約15,000件にのぼる地下水データが収集された。高レベル放射性廃棄物の地層処分において、地下水の化学的特性は、放射性元素の溶解度、核種の吸着挙動、オーバーパックの腐食、緩衝材(圧縮ベントナイト)の特性・挙動やその他の性能評価上重要な因子に影響を与えるため重要である。そのため、いくつかの典型的な地下水タイプへの分類を行うことができれば、ジェネリックな性能評価を行う上で、妥当なモデル・データを確立することができると考えられるため重要である。今回の検討では、約15,000件にのぼる地下水データをもとに、典型的な深部地下水タイプへの分類を試みるにあたり、統計学的手法の一つである主成分分析(PCA)を用いた。PCAは、因子分析や固有分析に類似した多変量解析法の一つであり、元の多くの変数から、より少ない変数でデータをデータを最大限に表示できる新たな成分(主成分)を導き出すことができる。また、PCAでは、導出された主成分をもとに、データセットの全ての変数を考慮しながら、データ間の類似性や差異を図示的に調べることができる。さらに、データ間の類似性を把握できる階層的クラスター分析(HCA)も主成分分析と共に用いた。HCAは、データのグルーピングを行い、デンドログラムの形で表示することができる。Pirouetteは、この様なPCA/HCA解析を行うことができる統計学的解析のためのソフトウェアパッケージである。約15,000件の地下水データセットから、採水深度や地下水温の情報を有するデータを選定し、7140件のデータが抽出された。次に、これらのデータから、我が国における平均的な地温勾配の値および採水深度の情報をもとに、温泉地域や地熱地域など地下増温率の高い地域のデータをスクリーニングした。その結果、880件のデータがスクリーニングされた。これらのデータは「火山シナリオ」解析用のデータセットとして位置づけた。一方、残ったデータについては、採水深度の情報をもとに、深度200m以浅/深度200m以深のデータセットに区分

報告書

Effects of ligands on the solubility of tin

小田 治恵; 雨夜 隆之*

JNC TN8400 98-001, 14 Pages, 1998/11

JNC-TN8400-98-001.pdf:0.38MB

126Snは半減期1$$times$$10sup5[y]の$$beta$$-放出核種であり、高レベル放射性廃棄物の地層処分性能評価研究において重要となる核種の一つである。処分環境条件におけるSnの挙動を把握する上で重要となる熱力学データは少なく、処分環境条件における溶解度評価下において溶解度データが取られた例は、高pH領域を除いては報告されていない。本研究では、溶解度評価において重要となる配位子(OH-,Cl-およびSO/sub4/sup2-)濃度と溶解度との関係を調べることを目的とし、Na-ClO4-Cl-SO4水溶液系およびベントナイト平衡液系における非晶質のスズ酸化物(15)(錫酸、SnO2・xH2OまたはSnO2(am))の溶解度を測定した。NaClO4系における溶解度データは、pH6$$sim$$11の範囲でpH依存性を示し、それによりSn(IV)の加水分解定数が求められた(Amaya、1997)。また、Na-ClO4-Cl-SO4系においては、Cl-、SO/sub4/sup2-濃度を変化させても溶解度データが変わらなかったことから、Sn(IV)の塩化物錯体や硫酸塩錯体が加水分解種よりも支配的にはなり得ないことを示した。一方、ベントナイト平衡液系での溶解度データは、ベントナイトを用いなかった他の実験よりも高い溶解度を示した。実験結果は、以下を示唆する。処分環境条件の下では、(1)Sn(IV)の液相化学種として、加水分解種、塩化物錯体および硫酸塩錯体以外の化学種が支配的に存在する可能性がある。(2)SnO2(am)以外の固相が、溶解度制限固相として存在する可能性がある。

報告書

セメント起源微粒子の挙動に関する研究

田中 知*; 長崎 晋也*

PNC TJ1602 98-003, 38 Pages, 1998/03

PNC-TJ1602-98-003.pdf:1.02MB

放射性廃棄物の地層処分には、セメント系材料の使用が考えられており、セメント系材料の溶解挙動、核種吸着に関して様々な研究がなされている。セメントを構成するシリカはアルカリ溶液中でコロイド粒子を放出する可能性を指摘されており、その場合セメントの溶解挙動や核種移行に影響を与えることが考えられる。しかしGreenbergらはpHを変化させたシリカ溶液の光散乱実験を行い、pH$$>$$10.5の溶液ではシリカコロイドの形成はないと結論づけている。そこで本研究ではOPCセメント溶液、シリカ溶液を限外ろ過したフィルターをSEM観察することで、セメント溶解液中にコロイド状の生成物が存在しないことの確認を行った。

報告書

狭隘経路内における微粒子の移行に関する研究(V)

田中 知*; 長崎 晋也*

PNC TJ1602 97-002, 60 Pages, 1997/03

PNC-TJ1602-97-002.pdf:1.3MB

単分散の金コロイドと銀コロイドへU(VI)イオンを吸着させて、ラマン分光法によりラマン活性なU=O伸縮振動がpHによってどのように変化するかを測定した。金コロイドに関しては、測定したpH領域全体においてUO2+が金コロイドに吸着したときに観測されるラマンシフトを示したことから、溶液中で加水分解生成物あるいは炭酸錯体を形成している条件においても、金コロイドへは水酸基あるいは炭酸イオンを放出してUO2の形で吸着している可能性が示された。一方、銀コロイドに関しては、pH依存性が観測され金コロイドとの吸着反応の違いが見られた。2分散系における帯電球形コロイド粒子の拡散挙動を、一般Langevin方程式を用いて解析し、自由水中における拡散係数からの変化を電荷、粒径、濃度の関数として評価した。2分散系では自由水中における拡散よりも静電気的相互作用により拡散が抑制されることが示された。

報告書

ニアフィ-ルドにおける物質移動に関する調査研究(IV)

not registered

PNC TJ1533 97-001, 461 Pages, 1997/03

PNC-TJ1533-97-001.pdf:14.27MB

地層中における核種の移行挙動を把握するため、TRU核種を中心とした放射性核種の地層中での移行特性、種々の溶液条件下における各核種の存在化学形の把握等を初めとする溶液化学について、基礎的な研究を行った。(1)地層中における核種移行に関する研究地層中の核種の移行挙動を把握するため、黒雲母へのウランの吸着係数のpH依存性、炭酸濃度依存性の測定を行うとともに緩衝材中のガスの移行挙動を明らかにするため、圧密モンモリロナイト中におけるヘリウムガスの拡散係数の測定を行った。また、長寿命核種として注目されているテクネチウムの挙動を解明するため、93Nb($$alpha$$、2n)95mTc反応と昇華法を用いたテクネチウム95mの調整を行い、スズ存在下でのテクネチウムとフミン酸の反応に関する実験を行った。(2)TRU核種の溶液化学に関する研究処分後の地質環境中におけるTRU核種の挙動を把握するため、電気二重層を用いたセシウムおよびネプツニウムの吸着挙動の解析、ネプツニウムとフミン酸物質の相互作用の解析を行った。また、極低濃度のトレーサー実験に最も適した崩壊特性を持つキュリウムとプルトニウムの製造に関する研究を行った。さらに、ニアフィールドにおける固液界面での物質移行解明のために、半経験的分子軌道法を用いたシミュレーション計算を行った。

報告書

表層土壌圏における核種動態等に関する研究(3)

not registered

PNC TJ1600 96-004, 78 Pages, 1996/03

PNC-TJ1600-96-004.pdf:2.2MB

表層土壌圏における核種動態等をより正確に理解するために、まず土壌を構成する粘土鉱物の構造を理解し、土壌圏における核種動態の媒体である水の熱力学的性質を明らかにした。土壌鉱物としてナトリウムモンモリロナイトを対象とし、この中での水の相対部分モルギブス自由エネルギー、エンタルピーおよびエントロピーを含水率の関数として決定し、X線回折の結果と合わせて、土壌中の水の存在形態を決定した。土壌中の水の存在形態は土壌の含水率に依存して変化した。モンモリロナイトにおいては、層間の1層の水和は0ないし16重量%の含水率の範囲で起こり、2層の水和は16ないし27重量%の範囲で、また3層の水和は27重量%以上の含水率で起こった。間隙水は第3の領域にのみ共存した。次に、表層土壌圏に普遍的に存在する天然有機物のフミン酸がストロンチウムの分配に与える影響を検討した。Srのフミン酸錯体がSrHAとSr(HA)2であることを実験によって特定し、それらの安定度定数と熱力学関数を決定し、その結果を基に錯形成の機構を考察した。また、カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対するフミン酸の影響を検討した。カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対してフミン酸の影響は40ppm以上のフミン酸濃度で見出され、40ppm以上ではフミン酸濃度が高くなるほどSrの分配係数が低下した。また、この影響はpHが高くなるほど顕著であった。最後に、土壌圏における放射性核種の移行挙動の評価のための基礎研究の一環として、圧密ナトリウムモンモリロナイト中のナトリウム、セシウムおよびストロンチウムの見かけの拡散係数とその活性化エネルギーを決定した。

報告書

ニアフィールドにおける物質移動に関する調査研究(3)

not registered

PNC TJ1533 96-001, 201 Pages, 1996/03

PNC-TJ1533-96-001.pdf:6.44MB

地層中における核種の移行挙動を把握するため、岩石中における核種の拡散挙動及び吸着挙動の実験研究を実施するとともに、TRU核種の溶液化学について、現状調査および基礎的な研究を行った。(1)地下水中における核種移行に関する研究地下水の核種の移行挙動を把握するために、プルトニウムの黒雲母への吸着係数のpH依存性の測定、およびトリチウム水を用いた圧密モンモリロナイト中のトリチウムの拡散係数の温度依存性からの拡散の活性化エネルギーの測定を行い、検討を行った。また、長寿命核種として注目されているテクネチウムの挙動解明を目的として、テクネチウムとフミン酸の反応、およびレーザー光音響法によるテクネチウムのコロイド等の測定に関する予備的な実験を行った。(2)TRU核種の溶液化学に関する研究処分後の地質環境中におけるTRU核種の挙動を把握するため、電気二重層を用いたセシウムの吸着挙動の解析、ネプツニウムとフミン酸物質の相互作用の解析を行った。また、極低濃度のTRU核種の信頼できる測定法の検討として、Np、Pu、Amの高感度分析測定法の研究を行った。さらに、ニアフィールドにおける固液界面での物質移行解明のために、化学量子量計算の適用可能性および、FTIR/PAS法の適用性に関する予備的な検討を行った。

報告書

深部地下環境下におけるSnの収着メカニズムに関する研究(3)和文 研究概要

not registered

PNC TJ1281 95-007, 65 Pages, 1995/03

PNC-TJ1281-95-007.pdf:1.4MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分の性能評価の上で、放射性核種の人工バリア材料及び地層中の物質への収着メカニズムを解明することは、極めて重要である。しかしながら深部地下環境の多様さと研究対象期間の長大さが、その完全かつ早急な解明を困難にしている。本研究は重要核種の中でも比較的未解決部分が多いと考えられるSnを取り上げ、深部地下環境下を模擬した雰囲気制御下でその基本的な収着挙動を解明するべく、平成4年度に第1歩を踏み出した。初年度は地層中にも鉱物表面等に広く分布すると考えられるゲーサイトを取り上げ、試験・解析の両面からSnを追った。収着試験では分配係数の確定を試みたが、予想以上に収着割合が高く、またテフロン容器へのSn吸着量が多かったこともあり、数千ml/g以上という下限値表示に止まった。と当時に溶液中のSn濃度が測定限界値以下であったことから、Snの溶解度の正確な把握が必要となった。一方、試験とは独立的に実施された解析においては、Snの収着として表面錯体生成によるゲーサイト固相表面への固定というメカニズムが想定され、Diffuse Layer ModelによりBalistrieri等のデータセットを適用して平衡定数を導出した。また、ゲーサイトのサイト濃度及びイオン強度によるSn吸着割合の変化、表面電位及び表面電荷密度のpH感度の解析も行った。平成5年度では溶解度試験、その結果から解析による液中支配化学種の推定、ゲーサイトに収着したSnの段階的抽出試験が3本柱として実施され、いずれもその有用性において前年を上回る結果が得られ、前2者においては試験と解析の有機的な結合を見た。

報告書

Seの花崗岩及び凝灰岩に対する収着試験

西川 義明*; 油井 三和; 間野 正*; 石川 博久*

PNC TN8430 94-006, 28 Pages, 1994/11

PNC-TN8430-94-006.pdf:1.03MB

本試験の目的は、深部地下環境下で陰イオンとして存在すると考えられているSeの収着メカニズムに基づいたモデル化を行うために花崗岩及び凝灰岩への収着係数(吸着率)のpH依存性及びKd値を取得することである。粉砕した花崗岩及び凝灰岩を使用して、バッチ法によりpHを調整したイオン強度調整液を用いて実験期間2週間での収着実験を行い、サンプル液でのSe濃度より収着係数(吸着率)を取得した。その結果、Seは花崗岩に対してすべてのpH領域で吸着しないことが分かりpH依存性が無いことが確認された。一方、凝灰岩については凝灰岩の零点電荷(ZPC)と考えられるpH8付近までの低pH領域で高い吸着率を示し、pH8を過ぎたあたりから直線的に低下する傾向があることも分かり、pH依存性が有ることが確認された。またpH11、12の高pH近辺でも一部吸着が確認され、このpH領域でプラスの電荷を持っている可能性が考えられた。また、同一の固相を使用して、バッチ法により凝灰岩平衡液を用いた実験期間2週間でのKd値取得も合わせて行った。その結果、Seの凝灰岩に対するKd値は0.084m3/Kgであることが分かった。

報告書

微小径路内でのアクチニドコロイドの移行に関する研究(3)

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PNC TJ1602 94-001, 60 Pages, 1994/03

PNC-TJ1602-94-001.pdf:1.0MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分の性能評価を実施する場合、解析結果から人工バリア内におけるAmの遅延現象が重要であることが報告されている。この解析結果では、人工バリアの候補材であるベントナイトの性能は変化しないことが仮定されている。しかし、ベントナイトは時間とともにイライトへと変化することが知られている。そして、このベントナイトのイライトへの変化にともない、核種の遅延係数や溶解度なども変化することが予測される。本研究では、人工バリア内におけるAmの移行挙動において、Amの遅延係数などが時間変化した時の影響を解析的に検討することとともに、イライトへのAmの吸着現象について、吸着比のpH依存性や固液比依存性を実験的に検討した。この実験結果から、イライト-水系においてもAmの擬似コロイド形成挙動がAmの地球化学的挙動に重要な影響を及ぼすことが明かとなった。

報告書

人工バリアから岩盤への核種移行及び地下水水質の形成に関する現象解析のためのモデル開発(2)(成果概要)

浅野 闘一*

PNC TJ1211 94-001, 87 Pages, 1994/03

PNC-TJ1211-94-001.pdf:1.43MB

IMAGE-MASTRA、及びIMAGE-GEOCHEMを各試験を通じて実施される人工バリアから岩盤への核種移行、及び地下水の水質形成に関する現象解析のために必要とされる以下の調査及び試験を行った。1.均質母岩系に接する緩衝材外側境界条件のモデリングに関する調査・検討(1)緩衝材外側境界条件に関するモデル調査スウェーデン、スイスで行われた安全評価における緩衝材外側境界の扱いについて調査を行った。(2)緩衝材外側でのミキシングセルモデルの妥当性の検討人工バリアと外側岩盤の核種移行を同時に解くモデルと緩衝材外側にミキシングセルを置くモデルとの比較計算を行い、ミキシングセルモデルの妥当性を検討した。(3)IMAGE-MASTRA試験の改良項目の検討濃度測定の再現性検討を通じて、今後の試験における改良点を明らかにした。2.鉱物の反応速度データの取得とベータベース整備(1)長石の溶解に関する文献調査長石の溶解の過程には、イオン交換反応過程、指数関数的溶出過程、放物線的溶出過程、線型的溶出過程の4段階にあることが示されている。線型的溶出過程での溶解速度は、Albite10-17$$sim$$10-14mol/cm2/s、Anorthite10-16$$sim$$10-12mol/cm2/s、Orthoclase10-17$$sim$$10-15mol/cm2/sであった。また、試料の比表面積が大きくなるに従い、溶解速度が低く測定されることがわかった。(2)長石の溶解試験Albite、Anorthite、Microclineの蒸留水中での溶解速度を測定した。その結果、溶解速度はそれぞれ、2.0$$times$$10-16mol/cm2/s、6.8$$times$$10-17mol/cm2/s、3.4$$times$$10-17mol/cm2と測定された。これらの結果は、文献値とほぼ一致することを確認した。また、鉱物表面をSEM及びEPMAを用いて観察した結果、91日間の試験期間では変質及び析出層は確認されなかった。

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